穂高槍縦走 二日目 ~The last traverse of my life~
ジャンが飛び込んできた
十分休憩を取り、本日の縦走路の後半に入る。まずは天狗ノ頭を下り、天狗ノコルへ。天狗ノコルへの着地は途中までは鎖があるものの、最後はそのままでは足が届かない。何とか数cmの足掛かりを見つけながらゆっくりと下りていく。天狗ノ頭の指導標が地面に落ちていたが、何と天狗のコルに立てられている指導標まで頭が壊れていて地面に倒れている。コルにはかつて避難小屋があり、その名残ともいうべき石垣の一部がまだ残っている。また、一般ルートではないのだけど、ここから岳沢小屋へエスケープするルートもある。岩壁にペンキで「岳沢」と矢印が書かれてあるが、時期によっては残雪がルートを遮っており立ち入ることができない場合もあるそうだ。今回は行く手を見てみると、分厚い雪渓と岩壁の間に僅かに隙間があり、岳沢へはここを辿っていけばいいようだけど、その先の様子はわからない。
ここからはジャンダルムまで標高差約400mを一気に登る。今日の行程の中で最も体力を使うところだ。

ここからは後半戦。天狗ノ頭を後にする。まずは天狗ノコルへ。

大きく下った後はなだらかな下り。

この下が天狗ノコル。途中までは鎖があるのだが…

最後は足を伸ばしながら慎重に下りる。

天狗ノコルに立っている指導標は無惨にも頭が地面に落ちている。ここも厳しい自然に晒されているので経年劣化も当然だ。ここからジャンダルムに向かって更に登っていくルートと、岳沢へ下りていくルートが分岐している。

岩壁に書かれた「岳沢」と矢印。

雪渓と岩壁の間には僅かな隙間。ここは何とか通れそう。

かつて存在した避難小屋の石垣が残っている。
息を整えて天狗のコルを出発。ジャンダルムに向かって登り始める。とはいっても、ここからは踏み跡が途端に薄くなり、ルートファインディングをしっかりとしなければならない。ペンキマークの間隔も大きくなり、所々どちらへいけばいいのか迷うときもある。こんなときは一旦振り返り、行く手の踏み跡を見極める必要がある。どんどん高度が高くなり、西穂から縦走してきたピークを見渡すようになってきた。この先も踏み跡は薄い。そういえば前回はここの登りでルートを見失い、焦ったことがあった(無事ルートに戻れたが)。何度も止まって確認して進むを繰り返すと、頭上に一人の男性がいる。どうやら奥穂から縦走してきた人らしい。
「ルートはこちらですか?」と聞かれたので、登ってきた方向を指して教えてあげた。自分はその人が下りてきた箇所に登っていこうとすると、別の方向からまた一人やってきた。やはりこの辺りは踏み跡が明瞭でないため、迷う人が多いようだ。後からやってきた人の踏み跡のほうが明瞭だったため、再度確認して先に進む。結果的にはどちらに行っても同じところに合流したけど、場合によってはとんでもないところに出てしまう。それにしても、もうちょっと多くの人とすれ違うかと思ったけど、意外に少ない。
ひたすら先に進んでいくと、間もなく平坦なところに出た。右手に尾根が続いている。恐らくここが畳岩尾根ノ頭だろう。先を見るとまだまだ登らなくてはならない。ここが踏ん張りどころだ。

天狗のコルを出発。この先しばらく体力勝負。

かなり標高が上がった。前回はこの辺りでガスが上がってきて辺りが見えなくなってしまったが、今回は西穂方面がきれいに見えている。天狗ノ頭からの下りのルートもはっきり見えているね。こうやって見ると普通の登山道のようにも見えるが、実際は岩を掴んでの難所ばかり。

不明瞭なルートを探しながらどんどん先へ進んでいく。

ここも手がかり足掛かりを探しながら実際に登っていくところ。

畳岩尾根ノ頭からは一旦信州側に回り込む。見上げたところが恐らくコブ尾根ノ頭だろう。

多分あれがコブ尾根ノ頭だ。その向こうがジャンのはず。

コブ尾根ノ頭の向こうにジャンダルムが顔を出す。
目の前に台形のピークが見えてきた。あそこがコブ尾根ノ頭だろう。どんどん近づいていくと、そのピークの向こうに同じような台形のピークが見えてきた。コブ尾根ノ頭の向こうからジャンダルムが顔を出した。
以前訪れた時はガスの中。その中にボーッと浮かぶジャンの姿に思わずドキッとしたものだけど、今日は晴れていてその形がはっきりと見えている。奥穂から見たジャンダルムはよく写真であるようにカッコいい形をしているけど、反対側から見るとちょっとノペーっとしているんだね。
ちょっと疲れたので、ジャンに登る前にちょっとだけ腰を下ろす。西穂側からガスが上ってきた。これも想定内かな。


