穂高槍縦走 二日目 ~The last traverse of my life~
雪の残る山荘
山頂から穂高岳山荘へと下りていく。時間的には1時間もかからないだろう。ガスが立ち込めているけど、登山道は明瞭だ。すると、岩陰でなにか動いている。この山の主が出迎えてくれた。ちょこちょこと自分の前を歩いていたり岩に飛び乗ってみたりで、無事にここまで辿り着いたことを褒めてもらっているようだ。
そして右手の岩の間から眼下に涸沢が見える。小屋の周りは残雪が多い。これも登山者が少ないせいだろうか。そして山荘の赤い屋根が見えてきた。あとは慎重に梯子を下りていくだけ。ここでも滑落事故が起こっているようで、防止ネットが張ってある。最後まで気は抜かずに一歩一歩確実に下りていく。

冬期に迷い尾根に立ち入らないように看板が立っている。

ガスが立ち込める中、穂高岳山荘へと下りていく。時間はお昼を過ぎたくらいで早いうちに山荘に着けそうだ。やはり道中人っ子一人いない。こんな奥穂は初めてだ。

何か岩陰で動いている。

どうやらこの山の主が出迎えてくれたようだ。

「登山道はこちらだよ」

「よく頑張ったよね」

「今日はまだ静かだよ」

「この時期の北アはいいね」

「案内はここまで、じゃあね」

鶏冠があるのでオスだね。既に冬毛から夏毛へと変わっている。まさかこんなところで出会えるとは思ってもみなかったけど、ちょっとガスが出ているせいか、姿を見ることができてよかったよ。

右手の岩の間から涸沢が見える。赤い屋根は涸沢小屋に涸沢ヒュッテ。ハイシーズンにはテン場は満員になるそうだけど、まだ残雪も多いせいか歩いている人を探すのが困難なくらい。

ここにもハクサンイチゲの花。

穂高岳山荘の赤い屋根が眼下に見えてきた。
山荘は既に予約してあったので早々にチェックインする。それにしても人が少なすぎる。辺りを見回しても外で工事をしている数人のスタッフさんくらい。とりあえずはお昼ご飯できつねうどんを食べる。さすがに夕食まではたっぷりと時間があるので、荷物を整理して外に出てみる。いつもライブカメラで見ているテラスにはまだ雪が数10cmくらい積もっているし、その石垣の向こうには大きな雪渓が横たわっている。裏に回ってみると白出沢が延々と続いているけど、どうやら上部は残雪は消えているようだ。のんびりとテラスでくつろいでいると、イワヒバリが挨拶にやってきた。それにしても静か過ぎる…

今日の宿泊地、穂高岳山荘に到着。今日は出発から緊張の連続だったので、ようやくひと息つける。昨晩西穂山荘の食堂で一緒だった男性は結局出会うことはなかった。無事にたどり着けるといいのだが。

お昼はきつねうどん。塩分も補給しないとね。

テラスにはまだまだ雪が多く残っている。

山荘から奥穂方面。ここから約1時間かかる。

裏手の白出沢。この下部にはセバ谷からの残雪が横切っているはず。

涸沢ヒュッテには雪のないところにテントが2幕。

明日登る涸沢岳。下見は止めておこう。

望遠で蝶ヶ岳ヒュッテの赤い屋根。その右手が蝶ヶ岳山頂だ。す~さんと常念から蝶を一日で周回した時は疲れたなあ…

雪の上からイワヒバリがお出迎え。

雪の上をちょこちょこ歩いている。

お出迎えありがとう。明日もよろしく。

西穂~奥穂は難なく無事に歩き通せた。明日も難所で距離も長い。無事に槍までたどり着けますように。
食事の時間になり案内されたのだが、準備されたのは1人分。どうやら今日の小屋宿泊は一人ということか。食事が終わると、まだ一人宿に到着していないという。もしかしたら昨晩の西穂山荘で一緒だった男性かもしれない。こんな時間になって到着していないとなると、ちょっと悪い予感がする。スタッフに西穂山荘からもう一人出発しているかもしれないことを言ってみると、どうやらまだ到着していない人は新穂高から出発したらしく、昨晩一緒だった男性は途中で引き返したようだ。まずは一安心。そしてもう一人は若い男性で、寝る前に1階に降りたときに食事をしていたので、無事に辿り着いたのだろう。
明日はまた早い。涸沢岳から北穂、そして大キレット越えと難所は続く。

